自転車研修生って…日米親和条約みたいなものやね
秋の空は天高く気持ちがいい。
草むらの上で大の字になり雲の流れるのを見ていると、ただただ自然に身を任せるのが一番だと思う。
焼酎を一杯ひっかけて寝る。これまた上機嫌!
気がつけば虫に襲われているかもしれないけれど…。
もうどのくらい前からになるのか分からないが、夕方6時過ぎにおっさんの家のそばの道路を自転車に乗ったお姉ちゃん(おばちゃん?)たち4,5人が賑やかに通り過ぎる。
朝から元気やね~と思うのだが、何を話しているのかは全く分からない。
何故なら日本語じゃないから。
おそらくベトナム語ではないかと思う。
おっさんの家から1キロほど先にある冷凍食品会社があり、そこで雇われているのではないかと思う。
彼女たちはいわゆる実習生(研修生)という人たちだ。
十数年前まではほとんどが中国人だったのだろうが、今や中国も経済発展を成し遂げ、もうほとんど来なくなっているようだ。
日本に来るよりも自国で働いた方がなにかといいのだろう。
代わりに東南アジアの人々が研修生となり、この頃はベトナム人からミャンマー、あるいはネパールからも来ているようだ。
(タイから来る人は少なくなってきているみたいだ。)研修生の出身国も次々と変わっていく。
さて、先日朝5時30分ごろ家のドアを開け郵便ポストまで新聞を取りに行ったところ、遠くからワイワイ声がだんだんと近づいてきた。
顔は分からないがいつも通り過ぎていくお姉ちゃん(おばさん?)たちだ。
こんな時間から会社に向かっているということを初めて知った。
でもちょっと待てよ。
彼女たち毎日18時半ごろ家の前を通るのだから、1日10時間以上、へたすりゃ12時間近く働いているのではないか???
働いているのか、働かされているのかよく分からないけれど、よう働くな~!!!
ところで以前野菜の加工場でアルバイトをしたことがあるのだが、そこでは毎日機械の中にキャベツなどの野菜を入れて千切りや角切りにしていた。
そして別の部門ではそれらを決められた数量袋に詰めるという作業を行っていた。
機械を使う人は1日中キャベツやネギを機械の中に入れていくのが仕事、袋詰めの人は1日中キャベツや玉ねぎを計量器で測り注文の数だけ入れていくのが仕事だった。
勤務している間いわゆるほぼ単純作業を永遠と続けていた。
そこのオーナーがいくら人を募集しても人が来ない、来てもすぐやめたり、前からの人が辞めていき、人手不足の解消とならない。
だから今度ベトナム人の研修生を受け入れるといっていた…。
それから考えるとおそらく彼女たちも冷凍食品工場で機械の前に立ち永遠と何らかの単純作業を来る日も来る日も行っているのではないだろうか?
それも1日10時間~12時間…。
(もちろん休憩時間はあるのだろうが…。)
日本では彼女たちのことを「研修生」とか「実習生」というわけだけど、一体何を研修するのだろう?
どんな技術を身につけようとしているの???
いわゆる単純作業をわざわざ日本に来て学ばなければならないのだろうか?
例えばシステムを学ぶということならばまだ分かるような気がするけれど、事業主がそれを教えようとか、学ばせようとしているようには全く思えない。
結局研修生とか名前は付けられているけれど、人手不足の解消であり、しかも低賃金で働いてくれる人を確保するということなのだ。
そして彼女たちも母国では仕事がなかったり、もっと低賃金であったりするために、少しでも稼いで国の家族に仕送りをするために日本にやってくるわけだ。
たとえ日本で100円だけの余剰だとしても、それが母国では500円以上の価値があったりするのだから、日本で働いた方がよいということだ。
彼女たちも(基本)最低賃金は保証されている。そして残業すれば割増もつく。
それでもって貯金をすれば実習期間の3年(5年)後に母国に戻ればそこそこの暮らしのできるお金となるというわけだ。
でもなおっさんからすると遠い国まで来て、朝から晩まで単純労働に携わり…。
何かで読んだか、見たのか覚えていないが、彼女たちは実習生として日本へ来るに当たって、斡旋業者に手数料を支払って、時には借金をしてまでしてくることもあるらしい。
そして職業選択の自由もなく、割り当てられた企業で3年間(5年間)働かなければならないとのこと。
これって合法的な有期奴隷労働契約ではないか?
それでもって会社の社長は売上を上げレクサスLS、いわゆる日本の最高級車に乗っているという…。
そこでおっさんは思うのだ。
この研修制度をやめるというよりも、もういい加減に機械で大量生産するのを止めないか?
人間が機械の一部となり、単純作業を繰り返す。
そして作業工程でいろいろな添加物が投入され長期間保存できるようになる。
(化学物質を投入することが仕事という人もいたりもする…。)
そして毎日何千個と作られ、それがトラックに積まれ一斉に全国のスーパーやドラッグストアに届けられる。
たとえ全国でなく、地域限定の品物だとしても、新鮮さを保つ(新鮮に見せるため)様々な添加物が加えられる。
チラシを見てごらんなさい。
安売りされているものは生鮮食品以外ほぼ大量生産されるものばかりだから。
それでもって安くは手に入るのだろうが、世の中を見渡せばなんだかゆとりのない社会が出来上がっている。
そんな機械に使われて生きるよりも、少量で手作りし、みんなで分かち合う。
そんな社会をつくらないか。
その地のものはその地で買う。いわゆる地産地消型社会。
時に旅行に行った際にその地のものを食べればいいではないか?
それに世界の生活水準は徐々に一定になってきている。
そりゃ格差は激しいけれど、中国や東南アジアから多くの人々が日本へ観光にやってくるようになっている。
一時は中国観光客の爆買いも話題となった。
そんな中でいつまでも研修生と名付けて奴隷労働のようなことを続けるのはいかがなものだろう?
今の研修生の出身国が経済発展を遂げたら次の研修生はアフリカ人にする??
人口減少と共に国内の市場は縮小していくのは当然のこと。
そのような中で従来通りの生産システムを維持すること、そして世界と経済競争を繰り広げることをしたって、無理が生じるばかりで社会はますます窮屈になっていくのではないだろうか?
それよりも新たなる社会を作り出すことを重要視して、それを世界へ提示することの方が大切なように思うのだ。
銭のために機械の奴隷になるなんてホントは誰だって真っ平御免ではないだろうか。
人間は本来もっとクリエイティブな生き物であるはずだ。
俺たちの脳は何のためにある!?
焼酎だって機械を使って大量生産されたものよりも、手作りされたものの方がずっとうまいのだ!
みんなで今の社会を抜け出して人の手のぬくもりを感じられる世界を作ろうぜ!