こうして癌は作られていく
テレビを見ていると時々「ACジャパン」というものが現れる。大きな災害が起こった時などそのCMだらけだったりする。
これは何かというと正式には公益社団法人ACジャパン(ADVERTISING COUNCIL JAPAN)という法人であり、以前は公共広告機構という名前だったのでこちらの方が分かりやすいと思う。
その活動目的は「公共のための広告活動を通じて国民の公共意識の高揚を図り、もって社会の進歩と公共の福祉に寄与することを目的とする。」(ACジャパン定款より)となっているのだが、簡単に言えば民間の企業・団体が集まって、国民の公共意識を高めるCM作って流そうやということだ民間の企業・団体が集まってといっても公益財団法人なので官僚の天下りがウジャウジャいて国とのつながりもきっと大きいのだろう…。
さてそのACジャパンのCMで「日本人の生涯で2人に1人がガン(癌)になる時代」と言っているものがある。
なんだか平気で「2人に1人が癌になる」と言っているのだが、これほど恐ろしいものはないのではないかと思うのだ。
かつては癌の発生も、癌による死亡もそれほど多くなかったのに、今では2人が1人癌になり、死亡原因は癌がダントツのトップだ。
それほど癌は身近に迫ってきているのだ。
ところで南米ボリビアに「チマネ族」という先住民族がいるらしい。
彼らは何で知られているかというと世界で最も健康な体を持つ人たちなのだそうだ。
そこで彼らが健康でいられる原因について調査したところ彼らの食生活は、そのカロリーの大部分を、「プランテン」というイモのようなバナナのような、熱帯では多くの地域で主食となっているもので賄っており、摂取品目はそれほど多くないらしい。
カロリー摂取の3分の2が炭水化物(プランテン、キャッサバ)から、 16%は 40種以上の魚から、そして 6%は野生の果実や木の実からだそうだ。
ちなみに市場で購入したものは8%のみだそうだ。
(余談となるがこの結果から現代の栄養学の嘘が分かってくる。)
このチマネ族の食生活の調査は5年間にわたって行われたそうなのだが、その5年間にある変化が見られたそうだ。
それはチマネ族の摂取する総エネルギー量と炭水化物の摂取量が特に市町村に近い場所にあるチマネ族の村では、大幅に増加するのが見出されていたというのだ。
そしてチマネ族の間に糖尿病患者が発生しはじめているのだ。
それは何故かというと、流通の発達により食品添加物(ラード、油、砂糖、塩)の消費量が増加したからだそうだ。
その砂糖は精製されたものであり、食用油は脂肪の素となるものだ。
こうして世界一健康な体を持つとされたチマネ族も現在その危機にさらされているのが現状なのだ。
いずれ癌の発生も増えてくるのかもしれない。
結局流通の発達により、企業で作られたものを食べる割合が多くなれば多くなるほど病気の発生率も大きくなっていくのだ。
流通過程にのる食品の多くが大量生産されるものであるがゆえに、より多くの添加物が加えられているし、食材には大量の農薬が使用されている。
遺伝子組み換えされたものも多いことだろう。
日本人の癌の増加もそれが大きな原因ではないだろうか。
もう一つ2017年に米国カリフォルニア州の公衆衛生局が「携帯電話からの電磁波の影響を減らす方法」というガイドラインを出した。
それには
できる限り携帯を身体から離しておくこと、
電磁波が強くなる状況下では使用を控えること、
ベッドや頭の近くに携帯を置いたまま寝ないこと、
イヤホンなども携帯を使わない時にははずしておくこと、
電磁波除去装置などの防御機器類を信用し過ぎないこと
が書かれている。
科学的にはまだきちんと証明されていないが携帯の電磁波と脳腫瘍の関連性が疑われているからだ。
私たちは現在この携帯(スマホ)の電磁波をはじめ電磁波だらけの生活を送っている。
そしてそれはますます強力な電磁波にさらされるようになっている。
要注意だ。
こうして企業は人間の人体を平気で危険に晒していく。
すべては利益獲得のためであり、そこには人々の健康を考慮するというよりも、いかにすり抜けるかが優先されている。
ここには書かなかったが原発事故を起こした電力会社のあり方がそのものだ。
けれどもそれを促し、よしとしているのは私たち消費者でもある。
なぜなら私たちがそれを選んでいるからだ。
私たち人間は便利さを追い求める生き物である。
そのために脳も発達してきた。
けれども度を過ぎてしまいいつしか私たちの生命を脅かすものとなってきた。
それこそが2人に1人が癌となることの証しだ。
残念ながら企業はそこまで面倒をみてくれはしない。
がん保険だって最終的には利益目的だ。
そこで今私たちに求めているのは思慮分別であり、取捨選択である。
何をよしとし、どのような価値観でもって生きていくべきなのか。
ACジャパンは民間企業の集まりだけにそこまでの答えは与えてくれない。
政府や国会議員も同じ穴のむじなだ。
つまり私たち自身で考えていくしかないのである。
もしその答えが出なければ2人に1人が、3人に2人、4人に3人と癌になっていく者が増えていくだけだ。
2025年はドクターたちが益々我が世を謳歌する世となっているかもしれない。
自滅していくしかないことも知らずに…。