おっさんの寝言、小言、独り言

焼酎好きおっさんの「娑婆」論考。

おっさんの住宅事情論

今年の夏の暑さは尋常じゃありません。

去年も暑かったですが、今年は更にパワーアップしています。

テレビのニュースでは「危険な暑さ、部屋ではためらわずにエアコンを付けて下さい。」と、
最近はニュースで使われる表現も「このままではあなたは死にますよ」ということを意味する言葉になっています。

いや本当に暑いし、実際毎日に何百人、時に千数百人も搬送されていますし、
亡くなられる方もいるのですから脅迫的表現も仕方ないのかも知れません。

近頃は日本列島の至る所で日中の気温が35℃を超えるようになっており、
時に40度を超えるところも出てきています。

日中35℃超えるとそこから気温が1度上がるごとに世界が変わってくるように感じます。

一体40度ってどんな世界なのだろうと思ってしまいます。

あまり体験したいとも思いませんが…。

 

それでもひとつ確かなことを言うと、私ことおっさんは、
家でエアコンを使ってないということです。

エアコンなしの生活を送っているのです。

もちろん家にはエアコンがあります。

それを使うお金は〇〇けど…。

そんなことより昼も使っていなければ、
夜は窓を全開にし、扇風機に蚊取り線香で寝ています。

それで大丈夫なのです。

ちゃんと生きております!もちろん寝る時は暑いですが…。

夜中に何度か起きもしますけど…。

朝にはそこそこの温度になっております。

何故それが可能かというと、
おっさんは築約70年の(古民家と言えるかどうか分かりませんが…)木造建築に住んでいるからです。

 

少し話しが変わりますが、先日小津安二郎監督の「東京物語」という映画を見ました。

1953年(昭和28年)に作られた作品です。

1953年と言えば朝鮮戦争が始まって3年。

日本は戦争特需から高度成長期に入ろうとしている時期です。

映画の内容は尾道に住む老夫婦が東京に住む息子家族、娘家族に会いに行くという映画なのですが、
一見するとただの退屈な日常のひとコマを捕らえた映画にしか見えません
(実は世界ナンバー1映画と言われるほど奥深い映画なのですが…。)。

映画の中で二人が夜団扇で仰ぎながら寝るシーンがあります。

その場面を見て「これでいいのだ!」と思ったのです。

夏は暑くて寝苦しいもの。それが日本の夏なのです!それが当たり前なのです。

 

ところが人間という生物は、良くも悪くも快適さと便利さを追求する生き物です。

その能力を持つ動物です。

科学の進歩によりいつしか各家庭にエアコンが設置されるようになり、
ここ数十年で新しく建てられる家は高気密・高断熱となりました。

その結果今では家は昔のものとはすっかり変わってしまい、
自然にはなかなか熱が逃げない家となりました。

それでもって元来日本の夏は高温多湿です。

それはいつの時代も変わりません。

故に高気密な家では菌はとどんどん繁殖していきます。

放っておけば菌は倍増、倍々増でウヨウヨ状態で溢れんばかりとなっていきます。

そこで除菌・殺菌が必要となってきます。

テレビのコマーシャルでもやっていますが
殺菌スプレーをシューッとひと吹きしなければなりません。

すると菌は死滅します。

けれどもそれによって悪い菌だけが死ぬわけでなく、いい菌も死んでしまいます。

そして例え除菌されて菌がいなくなったとしても、
いつしか人間もその(悪い)菌への耐性がなくなっていきます。

更に除菌ばかりしていると、菌が突然変異で耐性菌となってしまい…。

病院では除菌ではないですが、
抗生物質が効かないスーパー耐性菌が誕生し問題となっていることも同じようなものでしょう。

 

エアコンもまたエアコンで、こちらも使ってばかりいると、
身体はエアコン体質になり、暑さについていけなくなり、
汗をかくなどの体温コントロール機能もおかしくなって行きます。

今では子供や老人だけでなく、大人もちょっとした暑さで熱中症になる人が大勢います。

冷房病(クーラー病)と言われる女性も多いのも周知のことでしょう。

さてこれらの状況をひとくくりでいうと何ていうか分かりますか?

こういうことを「悪循環」というのです。

人間にとっての快適さや便利さばかり求めていると
いつの間にか自分で自分の首を絞めている状態になっているのです。

 

さてこのような日本の状況を見ていると、
十数年後には日本人は家から外に出る時には防護服を着用せんといかんようになるのではないでしょうか。

今は大気圏を出たら防護服(宇宙服)が必要ですが、
それが家から出る時にはと変わっているのです…。

もしかするとそのころには食べものも露地ものはダメ
ってことになっているかもしれません。

本当に日本は大丈夫なのでしょうか?

 

これは私たちおっさん世代のせいでもあるのですが、
多くの企業は儲けるためなら何でもするわけです。

便利が過ぎてもどんどん過剰にしていくのです。

そして私たちも安易にそれを受け入れ、
気がつけば私たちの“かつての当たり前”が失われてしまっているのです。

それがなくては何もできないようになってしまうのです。

だからこそ私おっさんは思うのです。

私たちはどこかで自分らの生活を見直さなければならないのでしょうか。

そして自分達自身で
何が本当に必要なのかを判断してコントロールしていかなければならないのでしょうか。

それがもしかするとこの異常な暑さへの解決のきっかけとなるように思うのです。

 

以上水割りカルピス割の麦焼酎を飲みながらおっさんの意見を述べてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。