おっさんの寝言、小言、独り言

焼酎好きおっさんの「娑婆」論考。

廻る、廻って、時代は巡る

世の中サッカーで大にぎわいみたいやな~。ちょっと勝ったから言うてすぐイケイケドンドンになるのはマスコミのせいなんやろな。あれも視聴率あげたり、消費させよちゅう作戦に違いない思うんやけどな…。みんな不眠で仕事のパフォーマンス落として、その間に重要法案通過させて、これこそ日本国民みな戦術にはまっとるちゅうやつちゃうん?それよりも焼酎飲んで、気持ちよ~なって寝て、翌日のニュースでみたんで十分やん。深夜ライブで見るのは大学生の特権や!それに一緒になったらアカンで。大人は仕事や~!プロフェッショナルになったら残業代もらえんなるがな…。まあ残念ながらベスト8には入れへんかったけど、これで少しは落ち着くやろ。

 

それともうひとつ残念な知らせが入ったがな。桂歌丸さんが亡くなられたがな。悲しいなあ。笑点の司会を降りて、入退院を繰り返して、その姿からもうそんなに長くはないのやろな…と思っていたものの、やっぱ訃報を聞くと悲しいわ。

 

歌丸さんのことは笑点でしか知らんけど、ウィキペディア等でその生い立ちを見ると、遊女屋で生まれ、小さい頃に父親亡くし、母親が出ていき、遊郭を経営するばあちゃんに育てられ…、なかなかのもんや。きっと小さい頃から人間のいろんなもんを見て来たんやろな。おっさんには想像できへん世界の中で育ってきたんや。そこに歌丸さんの奥深さがあるのやな。

 

しかし死ぬまで高座に上がり続けようとする姿はすごかったな。ホントのプロやでな。最後は病気で出れたり、出られんかったりでお客さんや興行主にも迷惑もかけたんやろうけど、それでも好きで、好きでたまらんかったんやろな~。あそこまでの人やったから少々迷惑かけても、自分のわがままでも最後はそれでええねん。しかしホント好きこそ一番や!

 

おっさんもちょびっと農業しよるけど、毎日朝5時に畑に行って1時間ほど、夕方5時に行って1時間半ほど作業するけど、ちっとも苦にならん。楽しいし、そこが癒しの場でもある。銭にしたら年間20万ほどにしかならんし、年間労働時間は何百時間で、自給にしたら300円にもならん。汚い格好して道歩くから周りから変人やと思われる。それでもやめられん。好きなんやからしょうがないわな。

 

人間ホント最後まで好きなことし続けるちゅうことが最高やな。それがまた人から喜ばれたり、感謝されたりしたら、もう言うことないわな。歌丸さんは最高の死に方したんやな。まあ本人はベッドの上でなく、落語の最中に…なんて思ってたかも知れんけど。

 

話が変わるけど、ほんで人間は消えていくねん。時間が経てば経つほど何にもなくなるねん。どんな立派な人であっても消えていくねん。歌丸さんもサッカーの本田もそうやねん。やがては記憶からも消えていき、それを知ってる人もいなくなるねん。わしらは人間の文化の積み重ねの1つにしか過ぎへんねん。

 

でもな、またいつか戻ってきて、新たな人生を始めて、それが前のものと同じもんかも知れんし、全く違うもんかも知れんし、それでも積み重ねてまた死んでいく。その繰り返しや。そしてそれが永遠に続いていくねん。

 

人の死は悲しい。けどそれは新たな始まりでもある。落語の世界もまた新たな人が出て、新たなものを開拓する人が出てくる。そして亡くなった人も新たな旅を始める。そうして変化が生まれるねん。

 

さあ今晩は焼酎一杯ひっかけて、歌丸さんに感謝して寝よか。落語家の喜びは人を笑沸かすこと、笑ってもらうことやろうから、笑って送ってやる。それが一番やでな。笑いすぎてちびってしまわんようにせなな。